自分に合った資産配分シミュレーション
年齢・収入・リスク耐性から「合理的な配分」を可視化する
💡 このテーマの最終到達点
本テーマでは、株・債券・レバレッジ商品・代替投資・金・新興国・エネルギーと、 「何に投資するか」ではなく「どう組み合わせるか」を一貫して扱ってきました。
最後に必要なのは、それらを自分の条件に落とし込む作業です。 本記事では、正解を提示するのではなく、自分で合理的な配分を決めるための思考フレームを提供します。
第1章:資産配分は「リターン予測」ではなく「制約条件」から決まる
多くの人が資産配分を考える際、「どれが儲かりそうか」から入ってしまいます。 しかし実際には、配分を決める最大の要因は以下の制約条件です。
- 時間:いつまで運用できるか(年齢・引退時期)
- 安定性:収入はどれだけ安定しているか
- 耐性:資産が減ったときに行動を変えずにいられるか
同じ期待リターンでも、耐えられない配分は「失敗した配分」です。 配分とは未来予測ではなく、自分の行動を縛る設計図だと考える必要があります。
第2章:3つの自己診断軸
① 年齢・運用期間
運用期間が長いほど、株式比率を高めても時間がリスクを吸収してくれます。 逆に、5〜10年以内に使う資金は価格変動資産に向きません。
② 収入の安定性
公務員・インフラ系など収入が安定している場合、 人的資本=債券的とみなせます。 その分、金融資産はリスクを取りやすくなります。
③ 感情的リスク耐性
含み損で眠れなくなるなら、それは過剰リスクです。 理論よりも、実際の行動を優先してください。
前提条件の変更:債券は本当に「安全資産」か?
これまで資産配分の教科書では、債券は「価格変動が小さい安全資産」として扱われてきました。 しかし、コロナ以降の世界では、この前提そのものが揺らいでいます。
- 恒常化した財政赤字
- 中央銀行バランスシートの拡大
- インフレ率が「一時的に下がっても、過去には戻らない」可能性
この環境下では、債券は 価格変動リスクと実質価値(購買力)の毀損という 二重のリスクを抱える資産になり得ます。
そのため本記事では、
「債券を減らし、通貨の外側にある資産を一部組み込む」
という、コロナ後世界を前提とした配分モデルを採用します。
第3章:モデル資産配分(あくまで参考)
| タイプ | 株式 | 債券 | 代替資産 |
|---|---|---|---|
| 防御重視 | 45% | 30% | 25% |
| バランス | 60% | 20% | 20% |
| 成長重視 | 70% | 10% | 20% |
※ 代替資産には金・エネルギー株・コモディティ関連株・一部新興国株を含みます。
※ 債券は「安全資産」ではなく、リスクを抑制するための調整弁として位置づけています。
※ レバレッジETFは長期の資産配分には含めません。
最終結論:資産配分は「答え」ではなく「設計図」
本テーマで一貫して伝えてきたのは、投資に万能解は存在しないという事実です。
重要なのは、
・なぜその配分なのか説明できること
・相場が荒れても続けられること
・人生の変化に応じて見直せること
資産配分とは、未来を当てる行為ではありません。
不確実な未来を生き残るための構造設計です。
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