リスク・生存性を考えるための本

🧩 「勝つ」より「退場しない」ための読書棚

投資において最も重要なのは、「勝つこと」ではなく「生き残ること」です。

市場では、才能や努力よりも運・偶然・分布の歪みが結果を大きく左右します。にもかかわらず、人は成功を実力だと誤認し、失敗を例外として片付けがちです。

この棚では、予測の限界・致命的リスク・再現性の欠由を理解し、「致命傷を避け続けるための思考」を養う書籍を集めています。

📌 本を見る前に、前提となる考え方を整理したい方へ

この棚は「リスク」「生存性」を軸に書籍を並べていますが、そもそもなぜ“当てる人”ほど市場から消えていくのかという構造を理解しておくと、各書籍の意味合いがより立体的に見えてきます。

▶ リスクと生存性から投資を考える(思想記事) →

📘 敗者のゲーム

原題:Winning the Loser’s Game / 著者:チャールズ・エリス

この本は、「なぜ多くの投資家が市場平均にすら勝てないのか」を、個人の能力ではなくゲーム構造の問題として説明します。

勝とうとする行為そのものが、ミスとコストを増やし、長期的な期待値を毀損しているという視点は、生存性思考の出発点になります。

▶ 向いている人:
・「勝ちに行って負け続けている」違和感を感じている人
・市場で消耗しない投資構造を作りたい人

📘 まぐれ ― 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか

原題:Fooled by Randomness / 著者:ナシーム・ニコラス・タレブ

成功者の多くは「正しかった」のではなく、生き残っただけかもしれない。

この本は、結果から原因を逆算してしまう人間の認知バイアスを暴き、投資・人生・キャリアに潜むランダム性の残酷さを突きつけます。

▶ 向いている人:
・成功談をそのまま再現しようとして苦しくなった人
・「なぜ自分は同じことをしても上手くいかないのか」と感じている人

📘 ブラック・スワン

原題:The Black Swan / 著者:ナシーム・ニコラス・タレブ

市場を破壊するのは、頻繁に起きる小さな出来事ではなく、誰も想定していなかった極端な事象です。

この本は、予測の限界を認めたうえで、「当てる」よりも壊れない構造を作ることの重要性を教えてくれます。

▶ 向いている人:
・想定外の下落で致命傷を負った経験がある人
・リターンより「最悪ケース耐性」を重視したい人

これらの本は、「どう儲けるか」を教えてくれるものではありません。

しかし、「なぜ人は破滅するのか」「なぜ続けられないのか」を理解することで、結果的に最も重要な投資スキルである生存力を高めてくれます。