資産配分を「正解探し」から「続けられる設計」に変える視点
資産配分の話になると、必ずと言っていいほど登場するのが「〇:〇が正解」「黄金比率」といった割合論です。
ですが私は、割合よりも前提の方がはるかに重要だと考えています。
同じ割合でも、前提が違えば結果はまったく別物になります。
割合は「答え」ではなく「結果」
多くの人が勘違いしがちなのは、割合そのものが答えだと思ってしまうことです。
しかし本来、割合は次のような性質を持っています。
- 考えた結果として決まるもの
- 状況から導かれるもの
- 途中で変わり得るもの
最初に割合ありきではありません。
同じ60:40でも中身は全く違う
よくある例として、「株60%・債券40%」という配分があります。
一見すると同じ割合でも、
- 投資期間が5年か30年か
- 定期収入があるかどうか
- 下落時に耐えられる性格かどうか
によって、意味はまったく変わります。割合だけを真似ても、同じ結果にはなりません。
前提とは何か
ここで言う「前提」とは、次のようなものです。
- 投資の目的(守るのか、増やすのか)
- 想定する投資期間
- 収入と支出の安定性
- 下落時の行動パターン
- 途中で使う可能性のある資金かどうか
これらを無視して割合だけを決めるのは、地図を見ずに距離だけで目的地を語るようなものです。
前提が違えば「リスク」の意味も変わる
前提が違うと、リスクの感じ方も変わります。
- 10年使わないお金の下落
- 来年使う予定のお金の下落
同じ下落率でも、リスクの重さはまったく違います。割合は同じでも、実際に背負っているリスクは別物です。
割合だけを見ると行動が壊れる
割合を「正解」だと思い込むと、相場が荒れたときに問題が起きます。
- 想定外の下落で不安になる
- 「この割合は失敗だった」と感じる
- 途中で方針を変えてしまう
多くの場合、失敗しているのは割合ではなく前提の想定です。
前提から考えると割合は自然に決まる
- どれくらいの変動に耐えられるか
- どの資産をどの役割で持つか
- 安全資産をどれくらい必要とするか
その結果として、「今の自分にはこの配分が合っている」という割合が決まります。これは前提が変われば、見直していいものです。
私が割合を後回しにする理由
私自身は、最初に割合を決めることはほとんどありません。
- この資金は何のためか
- いつ使う可能性があるか
- 最悪どこまで下がっても持てるか
割合はその後に「調整値」として決まります。だから相場が動いても、大きくブレることはありません。
割合は重要です。ですが、それは前提があってこそ意味を持ちます。
割合を探す前に、前提を言語化できているか。
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