市場平均に委ねる前に考えておきたい前提
― 「間違いにくい」ことと「考えなくていい」ことは違う ―
本記事では、近年主流となっているインデックス投資について、その有効性を認めたうえで、「なぜそれだけでは足りないと考えているのか」を整理します。
インデックス投資は、
「間違いにくい」一方で、
「考えなくていい投資」ではありません。
インデックス投資が優れている理由
まず前提として、インデックス投資は非常に優れた手法です。
- 低コストで市場全体に投資できる
- 個別銘柄選択の失敗を避けられる
- 長期では高い再現性がある
特に、時間・知識・経験が限られる投資家にとっては、現実的な最適解になりやすい方法だと思います。
それでも「万能」ではない
一方で、インデックス投資は市場そのものを前提にした投資でもあります。
つまり、
- 市場が成長し続ける
- 通貨の価値が大きく毀損しない
- 制度が長期的に安定している
こうした前提が暗黙のうちに置かれています。
この前提が揺らいだとき、インデックス投資は自ら判断して動く余地を持ちません。
集中が進みやすい構造的リスク
インデックスは、時価総額加重で構成されています。
その結果、
- 一部の国
- 一部の業種
- 一部の巨大企業
への集中が進みやすいという特徴があります。
「分散されているようで、実は同じ前提に賭けている」状態になりやすい点は、意外と見落とされがちです。
インデックスは環境変化に鈍感
インデックスは、結果を反映する仕組みです。
環境が変わったからといって、自動的にポジションを調整してくれるわけではありません。
構造的な変化が起きても、
- 指数に残り続ける企業
- 衰退産業が一定割合で含まれる
という特性があります。
「平均点を取り続ける」設計ゆえに、変化への対応力は高くないとも言えます。
インデックスでは取れないリスク・取れないリターン
インデックス投資では、
- 国や通貨を選ぶ自由
- テーマや構造変化への集中
- 非対称なリターン
を意図的に取りに行くことはできません。
これは欠点というより、役割の違いです。
インデックスは「市場に居続けるための道具」であり、
「環境変化を取りに行く道具」ではありません。
だから私はインデックスを「コア」に置く
私自身も、インデックス投資を否定していません。
むしろ、
- 長期で市場に居続ける
- 最低限の成長を取り込む
- 判断ミスを減らす
ためのコア資産として位置づけています。
ただし、インデックスだけにすべてを委ねることはしていません。
足りない部分をサテライトで補う
インデックスで取り切れない部分を、
- 国・地域ETF
- 新興国の金融・インフラ
- テーマ性のある資産
として、限定的な比率で組み込んでいます。
これは、市場平均を上回るためではなく、前提が崩れたときに備えるための設計です。
ここで整理した考え方は、ポートフォリオ全体の設計思想につながっています。
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