竹内製作所(6432)|「世界初」を武器にニッチ市場で勝ち続ける建機メーカー

【企業図鑑】TAKEUCHI MFG. CO., LTD.
「世界初」の発明が、世界の現場を変えた。
長野発、海外売上比率96%超のグローバル・ニッチトップ

この企業に注目する理由

── 巨大メーカーと競わず、独自の土俵で勝ち続ける「専業」の強み

竹内製作所は、建設機械業界において「ミニショベル」「クローラーローダー」という二つの製品カテゴリを世界で初めて開発したパイオニアです。総合建機メーカーとは一線を画し、小型建機というニッチ市場に特化することで、他社の追随を許さないブランド力と収益性を確立しています。

長野県の企業でありながら、売上の96%以上を海外で稼ぎ出す真のグローバル企業。米国や欧州の建設現場において、プロフェッショナルから指名買いされる「TAKEUCHI」ブランドの構造的競争力に迫ります。

第1章:どんな企業なのか(輪郭と揺るぎない事業基盤)

── 欧米のインフラを支える、赤と白の建機

1963年の創業以来、竹内製作所は「世界初から世界一へ」をスローガンに掲げてきました。その事業構造は極めて明快で、日本で開発・生産した高品質な製品を、北米・欧州を中心とした世界市場へ供給するスタイルです。 特に北米では、不整地での走行性能に優れた「クローラーローダー」が圧倒的な支持を得ており、欧州では都市部の狭小地で活躍する「ミニショベル」が市場を牽引しています。

第2章:なぜ特別なのか(競争優位の源泉)

竹内製作所が世界で戦い続けられる理由は、「誰もやっていないことをやる」という開発精神と、過酷な現場で鍛え上げられた「信頼性」にあります。

🔍 深掘り:ニッチトップを支える3つの柱

  • 「世界初」の開発力:
    1971年に世界初のミニショベル、1986年に世界初のクローラーローダーを開発。未開拓の市場を自ら創造してきた歴史が、先行者利益とブランドの浸透を生み出しています。
  • プロが選ぶ「操作性」と「耐久性」:
    オペレーターが意のままに操れる直感的な操作感と、厳しい環境でも壊れにくい耐久性は、現場のプロから絶大な信頼を得ています。「一度使うと他社製品に戻れない」という強い顧客ロイヤリティが強みです。
  • レンタル会社との強固なパートナーシップ:
    特に米国では、建機レンタルの大手企業との取引が深く、安定した大口受注を確保できる基盤を持っています。レンタル市場での高稼働実績が、さらなるブランド評価につながっています。
【強みとリスク(構造的な視点)】
構造的強み
  • 小型建機に特化し、大手総合メーカーとの直接競合を回避するニッチ戦略。
  • 北米・欧州という安定した巨大市場での高いシェア。
  • 高収益体質(営業利益率17%台)による再投資能力。
長期的なリスク
  • 海外売上比率が高いため、為替変動の影響をダイレクトに受ける。
  • 住宅・インフラ需要や景気動向への依存度が高い。
  • 地政学リスクや関税政策によるコスト構造の変化。

第3章:成長戦略と未来への投資(Building Excellence)

竹内製作所は、2028年2月期を最終年度とする第四次中期経営計画にて、連結売上高3,000億円への挑戦を掲げています。既存市場の深耕と生産能力の増強がその鍵を握ります。

生産体制の抜本的強化:

需要が拡大するクローラーローダーの供給能力を高めるため、長野県の青木工場隣接地に新工場を建設します(2028年1月稼働予定)。これにより、ショベルとローダーを合わせた生産能力は現在の1.3倍に達する見込みです。

脱炭素への回答「GX建設機械」:

環境規制の厳しい市場に向け、電動化を推進しています。リチウムイオン電池式ミニショベル「TB20e」および有線式電動ショベルは、国土交通省の「GX建設機械認定制度」で初回認定を取得。環境性能とパワーを両立した製品で、持続可能なインフラ整備に貢献します。

株主還元の強化:

成長投資と並行して還元も強化。連結配当性向40%を目標とし、段階的な引き上げを目指しています。

まとめ:この企業を一言で言うなら

竹内製作所は、「世界初のアイデアで、世界のインフラ現場を支えるイノベーター」です。
ニッチ市場で磨き上げた技術と信頼が、他社には真似できない強固な地位を築いています。

企業価値を「構造」から考える

企業の強さは、売上や成長率だけで決まるものではありません。
どこに組み込まれ、何によって支えられているか という構造が、 長期的な価値を左右します。
▶ 日本株 企業構造図鑑
ビジネスモデル・制度・ノウハウなど、 企業の土台となる構造から読み解く企業分析をまとめています。