第4回:規制緩和と富の格差:なぜバブルの後に「分断」が拡大するのか

はじめに|バブルの後に残るもの

バブルが崩壊すると、
市場は「正常化」したように見えます。
しかしその裏で、
もう一つ、確実に進行する現象があります。

富の集中と社会的分断の拡大

これは偶然ではありません。
バブルとその後始末は、
制度的にそうなるよう設計されている 側面があります。

第1章|規制緩和は「善」だったのか

多くのバブルの前には、
必ずと言っていいほど「規制緩和」があります。

  • 金融の自由化
  • 資本移動の自由
  • 金利規制の撤廃
  • レバレッジ制限の緩和

これらは当初、
「経済成長を加速させるため」
という正当な目的で導入されます。

問題は、
緩和の果実を誰が最初に、最も大きく得たか です。

第2章|規制緩和が生む非対称性

規制緩和は、
すべての参加者に平等ではありません。

得をする主体
  • 大規模金融機関 / グローバル資本
  • 情報・法務・税務に強い層
  • 既に資産を持つ投資家
取り残される主体
  • 家計 / 中小企業
  • 労働所得依存層
  • 金融知識に乏しい層

理由は単純です。
規制緩和は「選択肢」を増やすが、
それを使いこなす能力は均等ではない

第3章|バブル崩壊後の「救済」は誰のためか

崩壊後、必ず登場するのが「公的介入」です。

金融機関救済 / 流動性供給 / 量的緩和(QE) / 金利の引き下げ

これらは システムを守るために必要 です。
しかし副作用もあります。

救済の構造的特徴
  • 資産価格は回復しやすい
  • 実体経済(賃金・雇用)は回復が遅い
  • 金融資産を多く持つ層が先に恩恵を受ける

結果として、
「持つ者」は守られ、「持たざる者」は調整を引き受ける
構図が固定化されます。

第4章|なぜ格差は「政策の副産物」なのか

重要なのは、
格差は失敗ではなく
危機対応政策の副作用として必然的に生じる

という点です。

政策のトレードオフ
  • 金融システムを救う ⇔ 資産価格を下げない
  • デフレを防ぐ ⇔ 金融資産を押し上げる
  • 景気を下支え ⇔ 分配の歪みを許容

政策当局は 短期安定を優先 せざるを得ません。

第5章|分断が次のバブルを準備する

皮肉なことに、
格差の拡大は次のバブルの「燃料」になります。

中間層の不満 / 政治的ポピュリズム / 規制の振り戻し / 極端な政策への期待

これが、今度こそ何かが変わる」
という期待を生み、
再び過剰な信用と投機を呼び込みます。

📌 バブル → 崩壊 → 救済 → 格差 → 政治不安 → 次のバブル

という循環構造です。

第6章|投資家はどこに立つべきか

ここでの問いは「是非」ではありません。
👉 どの位置に自分がいるか

考えるべき視点:

  • 自分の資産は
    • 金融資産か、労働所得か
  • 政策の恩恵を受けやすいか
  • 制度変更時に守られる側か

投資とは、
制度の外に立つことではなく、
制度の内側でどう振る舞うか の選択です。

まとめ|第4回の核心

  • 規制緩和は成長を加速するが、非対称的
  • 崩壊後の救済は格差を拡大させやすい
  • 格差は政策の失敗ではなく副作用
  • 分断は次の不安定性を生む
  • 投資家は「制度の流れ」を読む必要がある
次回予告|第5回(最終回)
インフレ恐慌と中央銀行の限界
―― 「救えない局面」は存在するのか