通貨ブロック時代に生き残る資産配置という視点
通貨の信用と価値保存の構造|第7話(最終章)
〜「どの資産を持つか」ではなく「どの信用に賭けるか」〜
ここまで見てきた通り、現代の金融環境は「景気循環」や「金利」だけでは説明できなくなっています。
通貨はもはや中立ではなく、地政学・制度・思想に強く結びついた存在になりました。
本章では、通貨ブロック時代において、投資家はどのように資産を配置すべきかを構造的に整理します。
I. 投資とは「信用の分散」である
株式投資や債券投資は、企業や国家の成長や返済能力を信じる行為です。
しかしその前提には、常に
- 通貨が機能し続ける
- 制度が維持される
- ルールが途中で変わらない
という暗黙の信用が存在します。
ポートフォリオとは、「資産クラスの分散」以前に 信用源泉の分散なのです。
II. 通貨ブロック別・資産の役割整理
資産を「種類」ではなく、「価値の源泉」で3つに分類して考えます。
① 法定通貨圏(株式・債券・預金)
法定通貨圏の資産は、制度が安定している限り強力です。
- 流動性が高い
- 法的保護が明確
- 税制・制度と親和性が高い
一方で、インフレや金融抑圧の影響を直接受けるという弱点があります。
② 実物資産圏(金・コモディティ・不動産)
実物資産は、通貨の外側にある価値です。
- 希少性がある
- 長期的な購買力を維持しやすい
- 通貨価値の低下に強い
ただし、短期的には価格変動が大きく、保管コストも存在します。
③ 暗号資産圏(ビットコイン等)
暗号資産は、国家や中央銀行の外側に設計された価値保存手段です。
- 発行上限が明確
- 没収耐性が高い
- 国境を越えて移転可能
価格変動は大きいものの、「制度そのものへのヘッジ」として独自の役割を持ちます。
III. 投資家視点での「強みと弱み」
| 資産 | 強み | 弱み |
|---|---|---|
| 株式 | 成長の果実を享受 | 通貨・制度依存 |
| 債券・預金 | 安定・流動性 | インフレ耐性が低い |
| 金・コモディティ | 購買力維持 | 価格変動・保管コスト |
| 暗号資産 | 没収耐性・希少性 | ボラティリティ・規制 |
重要なのは、どれが優れているかではなく、どれも欠点を持つという事実です。
IV. 通貨ブロック時代の実践的な考え方
通貨ブロック時代においては、
- 単一通貨への集中を避ける
- 単一制度への依存を避ける
- 短期効率より長期生存性を重視する
「最適解」を探すのではなく、壊れにくい構造を作ることが目的です。
エピローグ|投資とは思想の表明である
通貨ブロック時代の投資とは、
「何が上がるか」を当てることではありません。
どの通貨が信用され、
どの制度が疑われ、
どの価値が逃げ場として選ばれているのか。
その構造の変化に、資産をどう配置するか──
それが、これからのポートフォリオ設計の本質です。
📊 実例:この思想をどうポートフォリオに落としているか
以下は、筆者自身が「通貨の信用」「価値保存」「通貨ブロック」という視点から、
どのように資産配分を考えているかを整理した実例です。
正解を示すものではなく、考え方の一例として参考にしてください。
