ステーブルコインとは何か
民間通貨は「安定資産」になり得るのか ── 信用・規制・市場構造から整理
ステーブルコインは、価格変動を抑えた「便利な暗号資産」ではありません。
それは、国家通貨・国債・金融規制・ブロックチェーンが交差する、 新しい信用インフラです。
2026年1月時点で、ステーブルコイン市場は約3,000〜3,100億ドル規模に拡大。月間取引量は1兆ドル超に達し、もはや暗号資産市場の「周辺」ではありません。
ステーブルコインの基本構造
ステーブルコインは、特定の法定通貨(主に米ドル)に価値を連動(ペッグ)させることで価格安定を目指すデジタル通貨です。
現在の市場の約90%を占めます。米ドルや円を裏付け資産として保有。
代表例:USDT / USDC / JPYC
準備金の多くは米国短期国債で運用されており、実質的に「国債金融システムの一部」となっています。
ETHなどを過剰担保として発行。分散型金融(DeFi)との親和性が高い。
代表例:DAI
市場急落時には強制清算が連鎖する構造的リスクあり。
担保を持たず供給調整のみで価格維持を試みる方式。
2022年のUST崩壊以降、信頼性は著しく低下。
市場の寡占構造(2026年初)
- ・USDT:約1,870億ドル(60〜65%)
- ・USDC:約750億ドル(約26%)
- ・USDe (Ethena):約63億ドル
※ 上位2銘柄で約9割を占める集中市場です。
競合:トークン化MMF
ブラックロックなどが提供するトークン化MMFは、「安定+利回り」を提供。
・T-MMF:資産運用
という役割分担が進んでいます。
リスクの本質
最大のリスクは価格変動ではなく、信用の連鎖です。
- 準備金の大半が米国債 → 米財政・金利の影響
- 発行体・保管銀行への依存
- 規制変更による利用制限
※ 2025年のBybit事件は取引所の管理問題であり、ステーブルコイン自体の欠陥ではありません。
規制環境(2026年1月)
- 米国:GENIUS法成立(2025年)
- EU:MiCA全面適用
- 日本:改正資金決済法による枠組み
※ 日本の信託型SCの運用ルールは、一部実証段階にとどまっています。
日本市場の現在地
- SBI VCトレードがUSDC取扱開始
- SBI × Startale:円建てSC共同開発(2026年春予定)
- メガバンク連合:発行準備段階
まとめ
ステーブルコインは「安全な暗号資産」ではなく、金融システムの延長線上にある信用装置です。
それを理解すれば、「儲かるか」ではなくどこまで国家と金融を侵食・補完するのかという視点が見えてきます。
※ 本記事は2026年1月時点の公開情報に基づいています。
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