業種別企業分析の視点:4ステップで何をみるか すべての分析の土台となるフレームワーク
本記事は、企業分析を本格的に始める前の前提整理です。企業分析では、すべての業種を同じモノサシで測ると判断を誤りやすくなります。
なぜなら、業種ごとにビジネスモデル・収益構造・重要指標が大きく異なるからです。
この記事では、「外部環境 → 内部構造 → KPI → リスク」の4ステップで、業種ごとの企業分析の視点を整理します。
業種別企業分析の4ステップ
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1. 外部環境(PEST分析)
業界を取り巻く大きな環境変化を把握する
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2. 内部分析(SWOT分析)
企業固有の強み・弱みを整理する
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3. KPI分析(業種別)
収益の源泉となる指標を確認する
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4. リスク要因確認
業種特有の落とし穴を洗い出す
・ この4ステップが、すべての企業分析の土台になります。
業種別 PEST / SWOT分析の視点
小売業(例:イオン・セブン&アイ)
PEST分析(外部環境)
- P:消費税・最低賃金政策
- E:景気・可処分所得の変化
- S:消費者トレンド・ライフスタイル変化
- T:EC化・キャッシュレス進展
SWOT分析(内部要因)
- S(強み):店舗網・ブランド力
- W(弱み):利益率の低さ・在庫リスク
- O(機会):EC拡大・インバウンド需要
- T(脅威):消費低迷・新規参入者の増加
📌 特徴とKPI
- 利益率が低い → 規模と効率が生命線 / 景気や消費動向の影響を受けやすい
- 主なKPI:売上高成長率(既存店/新規)、在庫回転率(資金効率)、客数・客単価
- リスク要因:季節変動(天候)、消費者トレンドの変化に対応遅れ
・ 小売業は「規模と効率」の両立がカギ。
製造業(例:トヨタ・ソニー)
PEST分析(外部環境)
- P:環境規制・貿易摩擦
- E:為替動向・原材料価格
- S:サステナビリティ意識の高まり
- T:自動化・AI/IoT導入
SWOT分析(内部要因)
- S(強み):技術力・生産効率
- W(弱み):資材コスト依存・固定費負担
- O(機会):新興国需要・環境対応製品
- T(脅威):供給網リスク・景気後退
📌 特徴とKPI
- 設備投資や研究開発費が大きい / グローバル競争&為替の影響を受けやすい
- 主なKPI:営業利益率(製品競争力)、ROIC(資本効率)、研究開発費比率、海外売上比率
- リスク要因:部品・資材調達リスク(サプライチェーン)、為替変動によるコスト・利益の大幅変動
・ 製造業は「技術力と効率性」が投資判断の核心。
IT業(例:楽天・サイバーエージェント・マイクロソフト)
PEST分析(外部環境)
- P:個人情報保護法・規制強化
- E:投資マネーの動向・クラウド需要
- S:デジタルシフト・DX推進
- T:AI・ブロックチェーン・5G
SWOT分析(内部要因)
- S(強み):スケーラビリティ・高利益率
- W(弱み):プラットフォーム依存・人材不足
- O(機会):新技術・海外展開
- T(脅威):セキュリティリスク・技術陳腐化
📌 特徴とKPI
- 利益率が高くスケーラブル / 成長スピードが早いが、競争も激しい
- 主なKPI:売上高成長率(二桁維持)、営業利益率(高水準)、MAU/ARPU(ユーザー基盤/収益化)、FCFマージン
- リスク要因:プラットフォーム依存度の高さ(GAFAなど)、データセキュリティや規制リスク
・ IT業は「成長スピードと持続力」を最重視。
次の記事へ:企業分析から投資判断へ
ここまでで、業種ごとに見るべき視点は整理できました。
次回の記事では、この前提をもとに「決算確認 → 指標整理 → 仮説構築 → 投資判断」までの流れを、初心者向けに一気通貫で解説します。
