成長性の見極め方

成長性を見極めるための指標 持続的な成長力と「売上の質」を評価する

投資対象の企業を選ぶとき、最も重要な視点のひとつが「成長性」です。企業価値は長期的に見ると、売上や利益がどれだけ持続的に成長できるかによって大きく左右されます。

本記事では、企業の成長性を見極めるために注目すべき売上・利益の推移と、それらをどのように投資判断へ活かすかを解説します。

成長性を見極める3つの基本指標

指標 何がわかるか(注目ポイント)
売上高の推移 企業の「規模拡大力」(年率3〜5%以上の安定成長が目安)
営業利益の推移 本業の「稼ぐ力」(売上増とともに利益も右肩上がりか)
営業利益率 コスト管理・効率性(5%超を継続・改善できているか)

※ 上記は一般的な目安です。成長初期企業や成熟企業では、適切な水準が異なる点に注意しましょう。

年平均成長率(CAGR)の活用

単年度の伸びだけでなく、中長期的な「実質成長率」を把握するために有効なのがCAGRです。

🧮 計算式

CAGR (%) = [(終値 ÷ 初値)(1 ÷ 年数) − 1] × 100

📈 具体例

2021年:5,000億円 → 2024年:6,800億円
CAGR ≒ 10.8%

年率10%超は一般的に「高成長」と評価されます。

なお、業種によっては年率5%前後でも十分に優良成長と評価されるケースもあります。

具体例:売上・利益推移の見方

事例 A社(架空データ)

年度 売上高 営業利益 営業利益率
2021年 5,000億円 400億円 8.0%
2022年 5,500億円 480億円 8.7%
2023年 6,200億円 600億円 9.7%
2024年 6,800億円 720億円 10.6%
読み取りポイント
  • ☑️売上が安定して伸びている → 市場拡大・シェア拡大が進行中
  • ☑️利益率も改善 → 価格競争ではなく、付加価値で成長している可能性

成長性分析の落とし穴

  • ⚠️コロナ特需や為替要因など、一時的な成長に惑わされない
  • ⚠️売上は伸びているが、利益率が低下していないか
  • ⚠️業界構造の変化で成長が止まるリスクはないか

売上の「質」をチェックする

項目 定義 意味
定期収益 サブスク・保守契約 安定成長・業績予測しやすい
一過性収益 大型案件・特需 利益変動リスクが高い

定期収益比率が高い企業ほど、将来の業績見通しが立てやすく、株価の安定性にも寄与します。

PEGレシオで成長と株価のバランスを見る

PEGレシオは、PERを成長率で割った指標で、株価水準が成長期待に見合っているかを判断できます。

計算式と目安

PEG = PER ÷ EPS成長率(%)
PEG < 1:割安
PEG = 1:妥当
PEG > 1:割高リスク

※ 成長率の前提が崩れるとPEGの意味も変わるため、成長の持続性と併せて判断しましょう。

成長性分析のまとめ

  • ✔️売上・利益・利益率で成長トレンドを把握
  • ✔️CAGRで中長期の実質成長率を確認
  • ✔️定期収益比率で売上の質を評価
  • ✔️PEGレシオで成長期待と株価のバランスを見る

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決算短信の5年推移を自分でグラフ化し、
「成長の量」と「質」の両面から企業を分析してみましょう。

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