ROEとROAとは?株主視点と経営全体から「本当の稼ぐ力」を見抜く
PERやPBRが「株価と企業価値の関係」を測る指標であるのに対し、 ROE(株主資本利益率)とROA(総資産利益率)は、企業がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示します。
投資家にとっては、 「この会社はお金をどれだけ上手に使っているのか?」 を見極めるための中核指標です。
💡 ROEとは?|株主資本利益率の意味
ROE(Return on Equity)は、株主から預かった資本を使って、どれだけ利益を生み出したかを示す指標です。
🧮 計算式
ROE = 当期純利益 ÷ 株主資本 × 100
例:株主資本100億円、純利益10億円の場合 → ROE = 10%
ROEは株主リターンの効率性を示すため、投資家が最も重視する指標のひとつです。
📊 トヨタ自動車 vs 日産自動車|ROE比較
出典:各社 有価証券報告書(2021年3月期〜2025年3月期)
この図から分かるのは、トヨタは一貫して安定したROEを維持している一方、 日産は赤字期を含め、ROEの振れ幅が非常に大きいという点です。
ROEは高ければ良い指標ですが、
「安定して稼ぎ続けられるか」が極めて重要であることが、この比較から読み取れます。
💡 ROAとは?|総資産利益率の意味
ROA(Return on Assets)は、借金を含めた会社全体の資産を使って、どれだけ利益を生んだかを示します。
🧮 計算式
ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100
ROAは経営者の資産運用のうまさを見る指標であり、 財務レバレッジの影響を受けにくいのが特徴です。
📊 トヨタ自動車 vs 日産自動車|ROA比較
出典:各社 有価証券報告書(2021年3月期〜2025年3月期)
ROAを見ると、トヨタは総資産全体を使って安定的に利益を生み出しているのに対し、 日産は赤字期にROAもマイナスとなり、資産効率の低さが表面化しています。
ROEだけでは見えにくい「経営全体の効率差」が、ROAでは明確になります。
ROEとROAの違いを整理
| 指標 | 意味 | 視点 |
|---|---|---|
| ROE | 株主資本をどれだけ効率的に増やしたか | 株主視点 |
| ROA | 総資産をどれだけ効率的に使ったか | 経営全体視点 |
⚠️ ROEだけを見る危険性
- 借金を増やせばROEは簡単に上がる
- 一時的な特別利益でROEが跳ね上がる
- 赤字→黒字転換期は数値が歪みやすい
ROEが高くてもROAが低い企業は「借金頼みの高ROE」である可能性が高く、財務リスクを必ず確認する必要があります。
投資家が見るべき実践ポイント
- ROEの目安: 日本企業8%前後 / 米国企業10〜15%以上
- ROEとROAを必ずセットで確認
- PER・PBRと組み合わせて総合判断
ROEが高く、ROAも高い企業こそが、本当に効率的で持続的に稼げる企業と言えます。
📘 まとめ
- ROE=株主視点の利益効率
- ROA=経営全体の資産効率
- ROE単独判断は危険、ROAと必ず併用
- 数値の「高さ」より「安定性」と「背景」を重視
結論:
ROEとROAを正しく使えば、
「数字だけ良い企業」と「本当に強い企業」を見分けられるようになります。
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