決算書の読み方入門|P/L・B/S・C/Fで企業の健康状態を見抜く

決算書の読み方入門

「決算書って難しそう…」「数字ばかりでよくわからない」

そんな不安を抱える投資初心者の方へ。

実は、決算書は会社の“健康診断書”のようなもの。すべてを理解する必要はなく、まずは「損益計算書(P/L)」「貸借対照表(B/S)」「キャッシュフロー計算書(C/F)」の3つを押さえるだけで、企業の本質が見えてきます。

損益計算書(P/L) – 収益性を見る

P/Lは、会社がどれくらい儲かっているかを示す書類です。

  • 売上高:商品やサービスで得た収入
  • 営業利益:本業で稼いだ利益(ここが超重要!)
  • 純利益:最終的に株主に残った利益
初心者はまず営業利益と純利益に注目するのがおすすめ。
「この会社は本業でちゃんと稼げているのか?」を確認するイメージです。
トヨタ自動車(単位:百万円)
売上高 営業利益 当期純利益
第117期 27,214,594 2,197,748 2,245,261
第118期 31,379,507 2,995,697 2,850,110
第119期 37,154,298 2,725,025 2,451,318
第120期 45,095,325 5,352,934 4,944,933
第121期 48,036,704 4,795,586 4,765,086
日産自動車(単位:百万円)
売上高 営業利益 当期純利益
第122期 7,862,572 △150,651 △448,697
第123期 8,424,585 247,307 215,533
第124期 10,596,695 377,109 221,900
第125期 12,685,716 568,718 426,649
第126期 12,633,214 69,798 △670,898

出典:各社 有価証券報告書(自2024年4月1日 至2025年3月31日)

比較してみると…

〇 トヨタ:安定して営業利益・純利益ともに大きな黒字

△ 日産:一部の年度で赤字があり、利益の波が大きい

本業で安定して稼げているかどうかが、企業選びの第一歩です。

貸借対照表(B/S) – 安全性を見る

B/Sは、会社の持ち物と借金のバランスを示します。

  • 資産:現金・在庫・設備など「持っているもの」
  • 負債:借金や支払い義務など「返さなきゃいけないもの」
  • 自己資本:返さなくていい株主のお金
ポイントは「バランス」。
自己資本がしっかりあれば、借金に依存しすぎない健全な会社だとわかります。
トヨタ自動車 財務指標
自己資本比率 自己資本 利益剰余金 総資産 流動負債 長期債務
第117期 39% 24,288 24,104 62,267 21,460 16,518
第118期 40% 27,155 26,453 67,689 21,842 18,692
第119期 39% 29,264 28,343 74,303 23,960 21,079
第120期 39% 35,239 32,795 90,114 29,178 25,697
第121期 39% 36,879 35,841 93,601 29,434 27,288
日産自動車 財務指標
自己資本比率 自己資本 利益剰余金 総資産 流動負債 長期債務
第122期 26% 4,340 3,630 16,452 6,726 5,386
第123期 31% 5,030 3,843 16,371 6,143 5,199
第124期 32% 5,615 4,048 17,599 6,769 5,214
第125期 33% 6,471 4,286 19,855 6,927 6,458
第126期 29% 5,446 3,415 19,024 8,070 5,509

出典:各社 有価証券報告書(自2024年4月1日 至2025年3月31日)

自己資本比率を見ると…

〇 トヨタ:常に40%前後で安定(財務健全)

△ 日産:30%前後で推移、一部は下がっておりやや不安定

自己資本比率が高いほど、倒産リスクが低く、長期投資に向いています。

キャッシュフロー計算書(C/F) – お金の流れを見る

C/Fは、お金の出入りを示す書類です。

  • 営業キャッシュフロー:本業で稼いだお金(プラスなら健全!)
  • 投資キャッシュフロー:設備投資や新規事業などへの支出
  • 財務キャッシュフロー:借金の返済や資金調達
利益が出ていても、現金が減っている会社は要注意。
「黒字倒産」が起きるのは、このC/Fがマイナスだからです。
トヨタ自動車 キャッシュフロー計算書(単位:百万円)
営業CF 投資CF 財務CF
第117期 2,727,162 -4,684,175 2,739,174
第118期 3,722,615 -577,496 -2,466,516
第119期 2,955,076 -1,598,890 -56,180
第120期 4,206,373 -4,998,751 2,497,558
第121期 3,696,934 -4,189,736 197,236
日産自動車 キャッシュフロー計算書(単位:百万円)
営業CF 投資CF 財務CF
第122期 1,322,789 -369,121 -639,692
第123期 847,187 -146,835 -1,092,645
第124期 1,221,051 -447,041 -670,607
第125期 960,899 -812,664 -131,551
第126期 753,687 -971,227 263,251

出典:各社 有価証券報告書(自2024年4月1日 至2025年3月31日)

キャッシュフローの比較

〇 トヨタ:営業CFは常にプラス → 本業で稼げている

△ 日産:営業CFはプラスだが規模は小さく、財務CFの動きが大きい → 資金繰りに課題

営業CFが安定してプラスかどうかは、企業の“現金創出力”を測る重要な指標です。

まとめ:3つをセットで読む

この3つを合わせて見ることで、会社の「健康状態」が立体的に見えてきます。

P/Lどれくらい儲かっているか?
(収益性)
B/S借金と資産のバランスは?
(安全性)
C/F実際にお金は増えているか?
(実質的なお金の流れ)

投資初心者は、まず 営業利益・純利益・営業CF の3つだけでもチェックしてみてください。

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